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規格外キャベツを使ったメンチカツを商品開発した(左から)立命館大学の西場幹太さん、岳藤千夏さん、岸希美さん、カネ吉ヤマモトフーズの徳地清匡社長=県庁
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 規格外キャベツのフードロスを減らそうと、立命館大食マネジメント学部(滋賀県草津市)の学生と近江八幡市の近江牛販売会社が特製メンチカツを開発した。地元で70年以上愛される揚げ物の新商品として、20日から売り出した。滋賀のお土産の定番にしたいと意気込んでいる。

 近江牛販売店やレストランを展開する創業128年のカネ吉ヤマモトフーズでは、約70年前から作っているカネ吉山本コロッケが地元で愛されている。自社の牛脂やラードを配合した「秘伝油」で、手作業で揚げる風味が人気だ。昨年7月からは「カネコロ」シリーズとして冷凍食品で全国販売もしている。

 徳地清匡社長(45)が「滋賀や近江八幡を盛り上げる商品を開発したい」と立命大の小沢道紀ゼミに呼びかけた。地産地消とともに食品ロスの課題を解決するため、規格外野菜を使ったカネコロシリーズの新商品を開発することにした。

 学生たちは昨年8月から工場見学や農家見学を重ねた。ホウレン草や小松菜など約40種類ほど試作し、「キャベツメンチかつ」にたどり着いた。野菜嫌いの子どもも食べられるように、ミートソースやコンソメ味を試したが、シンプルな「カレー風味」は、学生たちのアイデアだ。徳地社長は「僕たちではカレーなんて発想は浮かばない。学生さんのフラットでまっすぐな目で作っていただいた」と話す。

 規格外キャベツはカネ吉ヤマモトフーズが農家から買い取る。食感を重視し大きめに切り、甘みが増すように炒める。炒めて、こねて、揚げるまでの全工程を一つ一つ手作りで行うという。

 企画した同学部の岸希美さん(21)は「食品ロスの全体のごくわずかかもしれないが、無駄にされてしまう食料をなくしていく一助にしたい。滋賀県愛も味わってもらいたい」。西場幹太さん(21)は「全国の消費者にも届けたい」、岳藤千夏さん(21)は「レンジで簡単なので、共働きの家庭にも食べてもらいたい」と話す。

 3個入り1パック410円(税込み)。カネ吉山本本店(近江八幡市)など直営4店舗や平和堂の一部店舗、楽天市場などでも全国販売。今後、道の駅にも販路を拡大していきたいという。(林利香)

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